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同僚や部下の変化に気が付かないまま離職が起きた経験はないでしょうか?
予想外の離職は従業員の状態の変化が分からないために引き起こされます。 退職を始めとする組織や従業員の課題のためには、まずはコンディションを正しく把握することが重要です。
そもそも正しい把握とは何なのか、手法の一つである従業員満足度アンケートと課題の早期発見を実現する方法、その必要性を解説します。
普段から顔を合わせて働いていても、部下や同僚、自社の社員の疲れやストレスを見過ごしてしまったいた経験はないでしょうか。
それは多くの場合、相談のないまま社員が会社をやめる原因になっています。それは人を大切にする経営者や優秀な人事がいても起こってしまうのが現実です。
ですが、離職の原因は事前に察知し対策できるのです。
職場を離れた後から振り返ると不透明でも、社員には何らかの変化・兆候があります。
社員が仕事で不満を抱えている傾向は現われるものです。 例えば、周りから分かる変化は、業務上のコミュニケーションが滞ることや頻繁にデスクを離れる状態です。当人からしても、辞める前は顔を合わせづらくなり、結果的に遅刻などが増えます。
働く環境で人間関係が悪い場合は、会話量や顔を合わせる時間が減ります。
周囲と上手くいかず、満足いくようにやりとり出来ない結果、挨拶が減り、昼食も時間をずらしてとります。
人間関係の変化が起きやすい場面は複数あります。組織が拡大するタイミングや、大規模な人事異動がある場合です。特に後者であれば、トップのメンバーが入れ替わることで体制が変化するケースもあります。その場合マネジメントの方向性が上位層から変わるため、現場の従業員の中には変化を受け入れられない社員もいるでしょう。
プライベートの変化も働く人のコンディションに影響を与えます。
結婚や離婚、子供の誕生を含むライフイベントに始まり、親戚関係や友人関係も社員の負担になります。職場にプライベートを持ち込まない責任感の強い人であれば一層抱えているストレスに気が付かないでしょう。
公私を分ける人ほど、企業も従業員本人も望まない離職は避けたいものです。
職場では高い頻度での異動や望まない配置によって仕事への満足度低下が起きます。
業務内容への目的が見出せないこともあります。意欲的に成果に向かえないことや自身の仕事に価値がないと感じることが起きえます。 価値実感が出来ない状態では、従業員のパフォーマンスも上がりません。
従業員本人と周囲両方が課題に気がつかない場合もあります。
例えば、優秀な社員であるほど本人はプライベートや人間関係で上手くいかずとも、仕事とは別だと考えて元気だと思い込もうとする傾向があります。 自覚があるからこそ、周りには悟られないように働く場合もあるでしょう。
周りへ不満を抱える場合も、相談や悩みの共有はしません。一人で課題を持ち続けます。ですから組織関係が良い、悪いに関わらず従業員の変化には気付きにくいのです。
管理職部門やマネージャー、そして人事も把握出来ないこともあります。
一つは始めから数値目標を追うことが最優先の組織である場合。
二つ目はケアをしつつ、職場では従業員の本音に気がつけない場合です。
人よりも売り上げが重視される風土であれば、もとより社員の満足度は課題の範囲外にあるかもしれません。 しかし、既にサーベイや1on1でアプローチしている場合でも本当の声は分かりません。
例を挙げると、部下に元気か聞いても、一言元気です、大丈夫ですと返事をされる経験をもつ方もいるのではないでしょうか。つまり、周囲は従業員の変化は把握しづらいと言えます。
では、対面のコミュニケーションで掴みづらい社員の声を、どう知れば良いのでしょうか? そのようなときに有用なのが従業員満足度アンケートです。
従業員満足度調査とは社員の声を調査する方法の一つです。
職場環境や、人間関係、そして業務内容についてを測ります。満足をしているかを把握することで、離職を防ぐをはじめとした企業と従業員双方にメリットがあります。
メリットに加えて具体的な実施フローと設問例を紹介します。
組織や会社レベルでは大きく職場環境の改善に繋がります。
これまで不透明で、感覚的にしか分からない課題が可視化されます。 間接的には、原因が分からない退職を抑制することも考えられます。
組織のコンディションを把握できないことで生まれる課題は様々です。必要性を実感しながらも、アプローチ手法が分からないことも多いのではないでしょうか。従業員満足度調査は、ひとつの手段になりえます。
社員の課題と悩みを届けることで、制度をはじめとした会社の環境への改善に繋がります。
仕事に集中しやすいオフィス環境であるか、自身のキャリアに必要な能力がつくかを答えます。導入や検討に進めるべきポイントが発見しやすくなるでしょう。
従業員の満足度調査を通じて、評価制度への考えや私生活の悩みを共有することが、従業員にとっても必要です。 ## 具体的な活用方法
従業員満足度調査の目的に応じて質問内容が変わります。職場で最も必要なポイントを具体的にゴールに置きましょう。調査を行うことが先行すると、打ち手に繋がらないことが起こりえます。
「人材配置を通じて従業員の満足度を向上させたい」などから設計することで、効果を観測しやすくなります。
ゴールが明確になれば、調査内容の構成を検討します。
目的から考え項目を絞り込みましょう。正しい設問がゴールを達成することに繋がるでしょう。
調査を構成する質問項目が決まれば、回答を依頼します。 従業員にとって必要であることを含めた理解と協力が正しい把握に繋がります。
目的の理解のために、実施背景や方法を事前に共有すると従業員も協力しやすいでしょう。
回答が終われば、アンケートを回収します。集計作業は社員数にともなって、コストが増加します。コストは時間のみならず人手も要するでしょう。
膨大なコストのために、例えばツールを活用する等、効率化を進めることが考えられます。
アンケートデータを集計した後に、分析を通じて対策を検討します。
調査目的と課題を埋める対策を考える段階です。調査後の打ち手が最も必要である言えるでしょう。
組織課題にアプローチする施策が大切です。複数の課題が発見されれば、組織、個人を含む単位と、優先度から実行を進めましょう。
施策は、人事制度の見直しから社内研修の充実まで多岐にわたり考えられます。
設問は大きく分けて基本的な情報と満足度強化をする項目、不満足な課題を特定する項目に分かれています。必要に応じて強弱をつけることで、目的に即したアンケートを行えるでしょう。
回答者の基本的な性別や職種、役職を含む属性についての項目です。分析段階で必要となります。基本的な情報は欠かせません。
仕事に関する項目では、従業員のモチベーションを聞く構成です。例えば、やりがいやキャリア展望にはじまり、成長実感がここにあたります。働く上での満足度向上に貢献する要素を知ることができます。
上司に関する項目とは、指導方法や関係性を明らかにします。従業員の最も身近なお手本であり、職場での満足度に大きく影響を与えます。だからこそ、態度や方針を含めた設問を通じた把握が重要です。
従業員満足度を左右する要因に、組織風土も考えられます。 チームワークや相互尊重から、従業員を取り巻く人間関係がわかります。コミュニケーションの度合い含めて、円滑に仕事を行える組織であるかを明らかにします。
会社が目指す方向と、社員個人の方向が異なれば不満が溜まりやすくなります。方針が一致しないことで、モチベーションをあげたり維持することが困難になるでしょう。
経営理念やビジョンを通じた評価で、企業と従業員の関係を見直す機会は必要です。
人事制度や処遇は満たされない場合は、従業員の不満を生み出します。 評価の物差しに納得感がないと、社員は疲弊するでしょう。
給与面においても、仕事の評価の一つであり、見合わないと感じたら、従業員には明確にマイナス要因になるでしょう。処遇や制度についても、企業側が課題を発見することが大切です。
法令遵守を含むコンプライアンス項目では、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントについてを調査します。
モラルが低い組織では従業員が不信感を抱え続けます。会社が違反やハラスメント問題に対応するスタンスがなければ、不満足感は残るでしょう。改めてアンケートを通じた、コンプライアンスの確認が企業に求められます。
業務負荷は身体と精神の両方にストレスを与えます。
労働時間が長すぎる場合などは生活の質を低下させます。業務量についても、単純な量のみならず難易度を含めて精神的な負担になります。
業務のストレスはパフォーマンスに直結することは容易に想像出来ます。生活とのバランスを含めて、業務について従業員が感じる課題を明らかにすることが大切です。
従業員満足度調査は、従業員のコンディションを把握する方法としては2つの注意点があります。
一つ目は打ち手までのリードタイムが長いこと、二つ目はサーベイが企業と従業員双方の負担になることです。
従業員満足度調査は、項目や設問自体は必要ですが打ち手に繋がるまでが時間がかかり、サーベイの運用コストと回答コストが高い方法です。
課題解決までにかかる時間を見る際に、フローそのものの工数と従業員満足度アンケートをまわす頻度が関係します。
フロー自体は5つのステップに分けられ、ゴール設計から内容を明確する段階でも議論が発生しアンケートをすぐにとるには至らないでしょう。
さらに、回収から分析の段階でも、数々の課題から施策を洗い出し優先順位を決めるのは容易なことではありません。
つまり、調査結果から結論が出て改善に繋がるまでのフロー自体が見直すことでより効果的に組織課題にアプローチできます。
従業員満足度調査をとる頻度についても、一般的には年に1〜2回行われます。年に1〜2回のサーベイでは、目の前で起きている従業員の課題に気がつけません。調査スパンが長いことは、満足度に対して早期にアプローチすることを妨げています。
自身のコンディションを把握した上で、回答に反映するには心理的にハードルがあります。
従業員が必要性を感じづらく、抱えている考えを正しく回答しないかもしれません。調査への主観的な回答では、改善に役立てづらいと言えます。
企業にとっても運用コストは安くありません。価格に換算すると一般的に外部の会社へ委託する場合は、高くて90万円〜がかかります。(パッケージの場合は20万円前後)
集計から分析についても、企業の負担になるでしょう。本来従業員や企業のための調査が役立てられなければ改善に繋がりません。
これら従業員アンケートの弱みを解消し組織課題を早期発見するには何が必要でしょうか?
従業員満足度アンケートでは回収期間が長く、サーベイへの回答も主観的でした。
しかし、客観的にリアルタイムで組織・従業員のコンディションを把握できたらどうでしょうか。
その時に起きている組織課題を可視化し、従業員の予兆に気付ける方法があります。エンプロイーサクセスプラットフォームのWell(ウェル)を使うことで実現できます。
従業員満足度アンケートは組織と従業員の課題へ繋げる一つの手法でした。 しかし、回答データが比較的恣意的で、施策を打つまでの時間もかかります。
ここで客観的な指標に挙げられるのは、普段使用するコミュニケーションツールのデータも活用できるでしょう。例えばSlack(スラック)や Microsoft Teams(チームズ)等のツールを指します。
働く上で人間関係や業務量にストレスを感じている場合、従業員は返信速度が低下する傾向が見られます。
返信速度のように、実際の行動データに着目することで、従業員のリアルな状態を反映できます。従業員が、深夜の業務時間が増えていたりする場合も要注意です。
従業員は課題を感じていなくても、または感じていても、周りに共有されることはほとんどありません。潜在的な課題を早期に見つけるために、普段の動向を見ることが大きく改善に影響します。
調査のスパンが長いことが、従業員満足度調査の課題点でもあります。
現場で起きていることは、時間が経過するにつれ悪化します。予期せぬ課題が生まれたり、課題が大きくなり結果的に従業員が離職をすることなどです。
従業員へのアプローチには、リアルタイム性が欠かせません。普段使用するツールから、自動的にデータを集計することで、リアルタイム性に大きく貢献します。日々のコミュニケーションデータが組織のコンディションを反映しています。
従業員満足度調査は全ての従業員に一律に負担を強いるものでした。
社員はそれぞれコンディションや行動が異なります。抱えている悩みや度合いが様々な中で、サーベイも最適化されることが改善に繋がります。
普段の推移から予兆を発見し、必要な人だけサーベイを受けることで、集中した課題発見が実現できます。
リアルタイム・客観的に従業員のコンディションを知るための導入は、最短翌日から可能になります。
現在はSlack、Microsoft Teams利用企業限定で無料トライアルを行っており、低い負担で始めることが出来ます。
組織のコンディションを客観的に可視化するまで、2つの仕組みで実現します。
コミュニケーションデータを分析・解析することが、従業員のリアルな声を反映することへ貢献しています。客観的なデータから機械学習や自然言語処理のテクノロジーを通じて、コンディションの推移を把握しています。
コミュニケーションデータから読み解く推移からでは把握が難しいことは、必要な人にだけ届くサーベイを用いています。
普段の傾向を分析することとサーベイを掛け合わせることで、確実に組織の課題に対して、改善に繋がる把握を実現しています。
従業員満足度調査を通じたアプローチを検討するときこそ、従業員が改善を実感する方法が肝になります。
調査結果の精度を高め、働く現場が良くなるために、本当の声を反映し、早期に課題を解決することが大切です。アンケートのみでの方法で抱えるデメリットへ懸念がある場合は、Wellを使うことで解消出来るかもしれません。