組織サーベイ・組織診断とは?上手く行かない理由とその対策

サーベイ組織

組織サーベイ・組織診断とは?

組織サーベイ・組織診断とは、自社で働く従業員のモチベーションや満足度、エンゲージメント、人間関係などの組織状況について調査するアンケートを指します。

目的は、従業員のモチベーション向上や離職率の抑制、生産性の向上のための人事施策を行うための組織課題の可視化です。

人間関係やモチベーションといった、通常では定量的に把握しにくいことをアンケートを使ってデータ化できることが最大の利点となっています。


組織サーベイの種類

調査方法やツールは様々存在しますが、「センサス」と「パルスサーベイ」の2つに大きく分類されます。

センサス

センサスは、半年から一年に一度の頻度で50問以上の設問に回答してもらう手法です。

メリットは企業やその組織、自身のことについて多くの設問で様々な角度からデータを取得できることです。問題の原因を深く特定したり、より正確な課題把握ができるでしょう。

一方でセンサスのデメリットとして、設問数が多くなるため従業員の負担が増えてしまうことや、集計に時間がかかること、頻度が少ないため問題の発生をすぐに把握できないことが挙げられます。

代表的なサービス:モチベーションクラウド

パルスサーベイ

パルスサーベイは、1週間から1ヶ月に一度の頻度で10問以下の設問に回答してもらいます。

短期間で繰り返し実施するため、組織や従業員に問題が発生したことにすぐに気付け、対策を行えることがメリットです。

人事が施策に活用することは勿論、マネージャーが部下のマネジメントのために使われることもあります。

しかし、パルスサーベイのみでの問題の深堀りや原因の深い特定には向いていません。面談などとセットで行う必要があるでしょう。

代表的なサービス:Geppo・Well


組織サーベイ・組織診断が上手く行かない理由と対策

ほとんどの原因はこの3つに集約されると考えられます。

  1. 課題の仮説を立てていない
  2. 回答の信頼性が低い
  3. 効果が分からない

詳しく見ていきましょう。

原因1. 課題の仮説を立てていない

組織コンディション調査に失敗する多くの企業は、取得したデータを分析すれば何か明確な課題が分かるはずだ、という誤解をしています。

仮説を立てて精査しないまま調査してしまうと、結局何も分からなかったり見当違いの仮説を課題と考えたり、お金も時間も無駄にしてしまう可能性が高いです。

あくまでもアンケートデータはご自身が考える課題の仮説を立証または否定する手段です。

まずはご自身の経験や勘、定性的な調査、過去のサーベイ結果から有力な仮説を立てることからはじめましょう。

そして、その仮説を検証できる設問を作成した上で従業員に回答してもらうことが必要です。

原因2. 回答の信頼性が低い

嘘や適当な回答ばかりのサーベイ結果からは何も得られないことは理解できると思います。

回答数(設問数と頻度)が多ければ多いほど、本音の回答率が高ければ高いほど、組織サーベイデータの信頼性は高まります。

しかし、回答数と本音の回答率は反比例することに気をつけなくてはいけません。

回答者である従業員は、回答の負担が増えるとその分いい加減な答えを記入するようになるからです。 本音の回答を得るためには、以下の観点を考慮すると良いと思います。

  • 設問量と頻度は適切か?
  • 忙しいタイミングに送っていないか?
  • 答えたいと思えるインセンティブ(職場環境の改善が目的であること)を理解してもらっているか?
  • 本音で回答しても心理的安全性が守られることを従業員に理解してもらっているか?

各項目が適切かどうかは、サーベイの目的や組織課題の仮説によるので、これらを十分に考慮し従業員へ伝えた上での実施が成功への鍵です。

原因3. 効果が分からない

最後の難関です。

営業職であれば、売上や受注数など目に見える実績で施策の効果を判断しやすいですが、人事施策はその効果を定量的に測りにくいと感じる人事や経営に携わる方々は多いと思います。

それゆえに、施策をやるだけで満足してしまったり効果を定性的な感覚で評価してしまったりする場合が多いように感じます。

ですが、人事施策においても従業員サーベイなどを活用し定量的に効果を把握していくべきでしょう。

なぜならば、営利企業である限り施策のROIが重要であり、定量的に把握できないと今後も継続してサーベイを実施し続けるべきか分からなくなってしまうためです。

では、どう分析すればよいかでいうと基本は「施策前vs施策後」(前後比較)または「施策を行ったAグループvs行っていないBグループ」(スプリットテスト)のように2つを比べることです。

細かい分析手法は別記事に譲りますが、定量的な指標を施策の有無で比較することで効果を測ることが重要です。


組織サーベイを成功させるための手順

これまでの内容を踏まえ、これから組織サーベイの導入や改善を検討する際の流れを考えていきます。

ステップ①職場や従業員が抱える課題の仮説を検討する

この記事をご覧になっているということは、サーベイを導入しようorもっと活用したい、と考えた理由があるはずです。

例えば、従業員数が拡大したため一人一人の状況を把握することが難しくなった、退職者が増えた、生産性を上げたい、リモートワーク推進など環境が変化した等々。

まずはそれを文章化し、解決したい課題は何かを明確にしましょう。 例えば、「直近1年で退職者が増えた。この原因は、上司一人あたりの部下の人数が多くなり一人一人とのコミュニケーション量が減ったため、メンバーが疎外感を感じていたり仕事の意義を感じにくくなっているのではないか。」というくらい具体的にすることが望ましいです。

ステップ②課題があることを証明する方法やその解決方法を検討する

課題が明確になっていれば、自ずと正しい証明をするための方法や施策は少数に絞られていると思います。

ここでサーベイの対象者や頻度、設問量と内容が決まりそうです。

前の例から考えると「1.コミュニケーション量が減っているのか、2.コミュニケーション量の減少が疎外感を感じる原因なのか、3.疎外感が退職の原因になっているのか、4.コミュニケーション量が減少した原因は上司の業務過多か」あたりが証明すべき項目でしょうか。

これらについて、上司と部下双方から意見を聞く必要がありそうです。

ステップ③課題に対して施策を行った際に効果があったかどうか計測する方法を検討する

人事施策とセットで考える必要があります。

例えば施策を「上司には部下との1対1の面談を毎週30分以上最優先で行うこと」と考えた場合には、実際にその効果があったかを知るために、施策前後でのサーベイ結果の比較をする必要があるので事前にサーベイを取得しておいたほうが良さそうです。

また、変化の経過も知りたいので短期間ごとに調査を取ったほうがいいかもしれません。

ステップ④サーベイ手法やツールを検討する

①〜③が決まれば、パルスサーベイなのかセンサスなのか、設問内容、いつから始めるのかがある程度自動に決まりそうです。

今回の場合は

  • 手法:2週間に一度のパルスサーベイ
  • 時期:施策を実施する1ヶ月前から。繁忙期を避ける。
  • 設問内容:コミュニケーションについての内容が中心。上司と部下で聞き方を変える。
  • 設問数:5問程度
  • 効果検証:疎外感についてのサーベイ結果の施策前後での比較と実際の離職率の変化
  • ツール:特定の期間のみの利用ができ、かつ設問のカスタマイズが可能なパルスサーベイツール

といった感じしょうか。

あとはサーベイの負担を最小限にする方法を考え、従業員にサーベイの目的や意義を伝え、実施するのみです。

ステップ⑤サーベイと施策実施後の振り返り

最後に行わなければならないことは、施策とサーベイの振り返りです。

実際に仮説通りのサーベイ結果だったか、施策の効果はあったのか、サーベイは正確に取得できていたか等、良かった点と悪かった点、効果、コストなど多角的に振り返っていきます。

良いことばかりに目が行きますが必ず反省点もセットで考え、次回に生かしていくことが重要です。

きっとサーベイ結果や施策の中での従業員の対話から新たな課題や気付きが生まれているはずですので、そこで得られた考えを再度①から設計しPDCAを回していくのです。


組織サーベイの弱みを補完する組織コンディション把握方法

先程、組織サーベイや組織診断アンケートは「回収期間が長い&偽りの回答が混じる」という弱みをお伝えしました。

こればかりは従業員自身に回答してもらうアンケート方式&自社で分析という方法を取っている以上仕方ありません。

なので、サーベイ結果「以外」からも組織のコンディションを把握していくことで、より効果的な人事施策が可能になると考えています。

弊社サービスのWellは業務内のコミュニケーションに注目し、それらのデータの収集と解析を行い、組織コンディションの把握と改善をサポートするサービスを提供しています。

サーベイデータとコミュニケーションデータを組み合わせて解析することで、より正確な効果分析が可能になります。

行動データ分析

組織や従業員のコンディションに顕著に現れる指標として対人コミュニケーションの量と質だと考えています。

業務で使用しているSlack(スラック)やMicrosoftの Teams(チームズ)、メールなどのデータを分析することで、アンケートでは得られない客観的な指標を得ることができるのです。

例として、従業員が人間関係や業務量でストレスを感じている場合、返信速度が低下する傾向が見られたり、勤怠情報では見えなかった断続的な深夜労働が可視化されたりします。

返信速度や実際の労働時間などの行動データに着目することで、従業員自身でも気付いていなかったストレスや潜在的な退職リスクなどを察知することができます。

リアルタイム把握

「いま」現場で起きている課題は、時間が経てばその分悪化します。

半年に1回や一年に1回の調査では、対処が手遅れになることが多いことは明白でしょう。

コミュニケーション・行動データであれば、日常で使用している業務ツールから定期的に自動でデータが集計されるので、パルスサーベイ以上の頻度で組織のコンディションを調査することができます。

従業員への負担を最小化

組織コンディション調査は、従業員全員に一律で負担をかけます。

しかし、実際には社員一人一人、抱えている悩みや度合いは様々でしょう。

ゆえに、サーベイも「必要な人に必要な内容を必要なタイミングで届ける」ことで、業務を圧迫せずに退職や休職のリスクを察知できると考えています。

それが可能なのは、業務上の行動データの解析によってリスクの予兆を察知することができるからです。


まとめ

組織サーベイ・組織診断を実施する上でのメリットとデメリット、上手くいかない理由とその対処方法をお伝えしました。

組織サーベイの中でも様々な方法があるので、本記事の通りに自社が抱える組織課題などを踏まえ自社に適切な方法を検討してください。

Wellでは、組織サーベイに加えてコミュニケーションデータも解析することで、組織サーベイの弱点を補完し調査結果の精度を高めています。

もし少しでもご興味ありましたら、是非まずは無料相談をしてみてください。

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